35年前になるが、天草に仕事で6ヶ月、住んでいたことがある。
久しぶりに、三角から牛深を抜け長島に渡ってみた。画一な所ばかりが目立ち、破棄された場も多々。ありきたりの風貌の表情の人にしか出会わくなった。それでも風雪に耐え磨かれた時空は確かにと残っていた。
母より2つ下の世代、少し巫女がかっているかの石牟礼道子さんが島原の乱を題材にした「春の城」の小説を読みながら、島原、天草、不知火を取材した「草の道」の紀行文を祖父母、父母の頃の故郷と重ね合わせて眺めてみた。「苦海浄土」三部作をもあらためて読み返し、多く、深く考えせられることがあった。 |