田舎で育ちました。おふくろが百姓をしていました。
蓮華が田ん圃一面に咲き始めます。田ん圃の畝を丹念に起こします。
農繁期には学校から早く帰れます。駆けっこしながら帰りました。
棚田の泥に足を取られます。泥んこにまみれ、苗代が曲がりがちです。
気がつくとヒルに噛まれています。雨あとの雑草取りが大変です。
田ん圃は黄金色、親戚一同が集まります。鎌で刈り取ってゆきます。
刈り取った稲を交差する木組に掛けてゆきます。陽ざしに干します。
遅い台風の倒れた木組み直しは、夜中でも雨風に打たれながらします。
古い脱穀機でした、稲穂が舞い上がります。実る稲の香りがします。
籾次第に体がハシカクなってきます。籾殻が集まり、俵に積めます。
お茶の時間が楽しみ。ぼた餅、おはぎ、おむすび、お漬けもの。
井戸で冷やしたスイカをかぶりついた。冷たくて美味しかったなぁ。
そんな遠い記憶、子供の頃が、懐かしく、セピア色に甦ります。 |