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投稿記事 (公開8195)
【8195】戦友別盃の歌
投稿者素浪人
投稿日時2019年8月15日 12:49:41
 先日、ケーブルテレビのTBSチャンネル2で、向田邦子作品をベースにした
ドラマ「戦友別盃の歌」を途中から見始め、引き込まれて最後まで見てしまい
ました。
 昨今の観念的でパターンをなぞった反戦映画と相違して、戦前の人々の心に
寄り添って辿った、私たちにもかすかに覚えがあるその残り香を感じられる
作品でした。
 そのドラマでは、3人姉妹と寡婦の家族の戦死した父親であった軍医が愛した
詩として、大木惇夫の「戦友別盃の歌」が思い出され、愛唱されるシーンが出て
きます。
 大木惇夫は、戦争協力詩人として戦後の詩壇から排斥されて忘れられた詩人
ですが、向田邦子も父か身近の人にこの詩を愛していた人がいたのかも知れ
ません。あるいは、昭和4年生まれで、開戦当時に12歳ですから、本人自身が
この詩を知っていて、愛唱していたのかも知れません。
 亡くなった同期の髭庵こと萩原紳介君とこの詩について語ったことがあった
ように思いますが、その冒頭の2行が、別れの詩の一節として素晴らしく、
愛唱に耐え、胸を打つものがあります。
 以下に全文をご紹介しますが、興味のない方は無視してください。

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戦友別盃の歌-南支那海の船上にて。

言ふなかれ、君よ、わかれを、 
世の常を、また生き死にを、  
海ばらのはるけき果てに 
今や、はた何をか言はん、 
熱き血を捧ぐる者の 
大いなる胸を叩けよ 
満月を盃にくだきて
暫し、ただ酔ひて勢(きほ)へよ、                  
わが征ゆくはバタビヤの街、 
君はよくバンドンを突け、     
この夕べ相離(さか)るとも 
かがやかし南十字を 
いつの夜(よ)か、また共に見ん、
言ふなかれ、君よ、わかれを、
見よ、空と水うつところ 
黙々と雲は行き雲はゆけるを。
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 大東亜共栄圏は、戦争指導者がとってつけたスローガンであったというのは
事実でしょうが、日本が南方で戦った相手は、アジアの国々を植民地支配して
いた英国、フランス、オランダ等の西欧諸国であったというのも事実です。
 我々戦後に生を受け、教育を受けた日本人は、GHQの統治戦略により、
戦前の日本=悪を刷り込まされて、私のようなおっちょこちょいは、高校
時代から左翼思想にかぶれたものですが、大学入学直後に病気で休学して
いなければ、過激派の内ゲバで命を落としていたかも知れません。
 しかし、その後、近現代史を左翼イデオロギーから離れて辿った結果、
日本の韓国統治などが、西欧列強の植民地経営と真逆の、その民の生活の
向上を図るものであったことなどを知るにつけ、昨今のメディアの論調など
に疑問を感じることが多い。
【8199】Re:戦友別盃の歌
投稿者終戦、再生の八月
投稿日時2019年8月21日 13:38:01
「国境の町」の作詞家でもあるんですね。「風・光・木の葉」「前へ」の詩もありました。
戦争直後の世代の私には、B29の機銃掃射に追われ防空壕に逃げ込む母が語る言葉、
戦地最前線は無い父が50年を経て口をようやく開いた実戦争は対照的なものでした。
戦争を、生死の境をくぐり抜けれた父母世代の戦後の必死の後ろ姿を見て育ちました。
満州、シベリア抑留などからの苦闘の引上者は僅かで、大半は南方戦線、ビルマ、
硫黄島、沖縄、広島、長崎など各地で無惨に、理不尽に亡くならされています。
戦後70数年、戦争の記憶の風化は増すばかり。私には「いのち」を見直す月です。
沖縄、広島、長崎の語り部たち、ちぃちゃんの影法師、原爆詩の朗読を聞きつつ
振り返っています。幼い日に母か歌っていた「帰り船」、「旅の夜風」が蘇りますが、
何故か父の音痴の声は、暮らしの中の「炭鉱節」、「新妻鏡」、「ひえつき節」でした。
【8200】Re:Re:戦友別盃の歌
投稿者ちぃちゃんの‥‥
投稿日時2019年8月21日 13:53:27
訂正です。

「ちぃちゃんの影法師」 → 「ちぃちゃんの影おくり」
  
 市原悦子さんの「ちぃちゃんの影おくり」の朗読は素晴らしかったです。
【8201】市原悦子は朗読の天才
投稿者素浪人
投稿日時2019年8月22日 13:31:25
コメントありがとうございます。

 少し話題がそれますが、市原悦子の朗読は、「日本昔ばなし」で聞いて知って
いましたが、先日、「サワコの朝」で、「令和に伝えたい昭和の大女優
スペシャル」と銘打って、過去の放映分を回顧再放送していましたが、
その中で、市原悦子が4年前に出演した回から、松谷みよ子の「月見草のよめ」
の朗読の部分が再生されました。
 画面には、朗読の原稿も示され、同時に朗読が流れるので、どのように活字が
音声として表現されたかがはっきりわかり、市原悦子は、天才だと思いました。
その表現力たるや、超絶的とでも形容したいぐらい。
 朗読が終わると、感動したテレビの画面外のスタッフからも、大きな拍手が
沸き起こっていました。もちろん、サワ子も、深く感動した面持ちで。
 「サワコの朝」はビデオ収録して見るようにしています。
 阿川佐和子は、そのキャラも好もしいですが、インタビューは、実に優れた
話の引き出し方をしています。当代最高のインタビューアーですね。
【8204】Re:市原悦子は朗読の天才
投稿者
投稿日時2019年8月28日 11:34:53

 いろんな声優、役者、ナレーターさんがいる。
 中味もさることながら、声の良い人が羨ましい。
 
 古いところでは徳川夢声の宮本武蔵。幸田弘子、
 白坂道子さんの端正な朗読も耳に残っている。が
 市原悦子さんは八面六臂、おしゃまな弾む聲がある。
 常田冨士夫とのコンビにほん昔ばなしは絶妙だった。
 
 夏の終りの疲れから、ラジオ深夜便を誘われながら、いつの間にか眠りこけている。
 九月になれば、実りの秋がやって来、やがて紅葉・黄葉前線が次第に下りてくる。
 今年も、五感で、自然の聲を聴けたらと、切に願っている、この頃‥‥‥